73式

妙齢専業主婦の雑記帳である。文章を書く練習のため、ほぼ毎日更新の予定。

慣れ

 実家にいた頃は、兄が就職で家を出るまで母と妹と同じ部屋で寝ていた。高校生になって兄のベッドをもらって一人で寝るようになった。一人暮らしのときは一人なので一人で寝ていた。今は同じ部屋で夫が寝ている。

 大抵目が覚める直前まで夢を見ている。何故か最近は十代の頃の夢ばかりなので、起きたとき、隣の布団で寝ている夫が誰なのか分からないときがある。これを言うと「俺の存在をついに抹消したか……」と夫は凹む。十秒くらいしたら思い出すんだから許してくれ。

 まだ夫がいる日常に慣れていないのかなぁ。つきあっていた頃は、目が覚めて隣で寝ている人を見ても「誰だこいつは」と思ったことは一度もなかった。夫が何となく可哀想なのでさっさと慣れてほしい。

異変

 頭がぼ~っとするのでまとまった文章が書けない。普段からとっちらかってはいるんだが、更に今は「私」という群体が解散しかけているのかと疑うほどバラバラだ。決して精神的にダメージを受けたとか、自我が崩壊したとか大それた話ではない。ただ単に脳内の情報を一群体として処理するのが難しくなってきたというだけだ。何を言っているか伝わるかなぁ。

 目を閉じて何かを考えようとせず、ただぼんやりと浮かんだ映像を追いかける、ということを眠る前によくする。今は目を開いているのにそんな感じ。逆に目を閉じても何も浮かんでこない。暴走しているのか? しばらく自分を観察してみる。

嫌な大人になってしまった

 モヤモヤするのを承知で再読中。

NANA (1)

NANA (1)

 

  第一話と第二話はcookie本誌まで買って読んだんだよな~小六くらいだったかな? コミックスは買い続けていたけれど、どんどんハチについていけなくなっていつからか脱落。ネタバレをネットで検索したり立ち読みで「ああ今こうなってんのか」と確認するだけになった。作者はものすごーく大変な病気で完結の目途は未だ経っていないようだ。何にせよ健康が一番なので、描けるときにだら~っと描いてほしいな。というか矢沢あいはそれが許される漫画家だよ……働きすぎだもん……。

 リアルタイムのときはキャラクターの誰にも共感を持てなかった。いや、今でも持てないけど、「まぁそうなっても仕方ねぇよな」とオトナな感想を抱けるようになっていて驚いた。cookieってりぼんを卒業してちょっとオトナな気分を味わいたい女子向け対象の雑誌だったと思うんだけど、ハチを好きな子っているのかなぁ。清らかな乙女には理解しがたいキャラクターなんじゃなかろうか……。

  • 章司について

 優柔不断な性格(たぶん)で、彼女がいながらも幸子と浮気、後に本気。当時は「何やってんだ章司!!」とイライラした。そのうち「いやでもハチは超めんどくせー女だし仕方ないかもな……」に代わり、最近再読して「幸子に魅かれるのも分かるけどおまえは女側からハッパかけられないと動けねぇのか」と具体的なイライラに変わっていた。矢沢あいNANAの第一話を描いた時点で章司の浮気まで考えてたんだろーか……なんかそれは……やだな……。

  • 幸子について

 章司とバイト先も大学も学部も専攻も同じの小柄なカワイ子ちゃん。名言「わざとだよ?」は有名。ハチの立場から物語を読むと悪人になってしまうが、可愛くて性格がよくて一途で本当にいい子。そういえばハチも章司を恨みはすれど、幸子には特に恨み言を言ったりはしてなかったなぁ。章司側から見ると天使。でも天然の策士かもしれん。

  • ハチについて

 ここまで読者に理解されない主人公も珍しいのではないか。ネットでもよくアンチ発言を見かける。私もあまりの無節操さと突然の当事者意識の持ちよう(ex.「タクミの妻です」)に結構イライラしていた。再読したら何か「しょうがねぇよな」って気になってきた。

 確かにハチはわがままで手のかかり誘惑に弱く気が多い女だが(この時点で結構擁護不可)、それにしてもなぁ。二十歳で考えなしに上京する子なんていくらでもいる。上京翌日に仕事探しに行かなかったことを章司に呆れられてはいるが、でも翌日だよ? しかも電車が遅れて到着が深夜。普通行かなくね? 更にその翌日には物件を見に行ってる。かなり活発じゃないか……。まぁ、普通は上京前に物件を探しておいて、余裕のある人は仕事までちゃんと目星をつけてたりするんだろうけど。あ~行動力があっても考えなしってことなのか。普通に迷惑だな(笑)。あれ、擁護できてないぞ。

 ナナと深く関わった時点で一般的な感覚は失われてしまうだろうな。バンドマンなんてロクなやついないし(笑)。ヤスみたいにデビュー目指して仕事もして、なんて器用な人間は本当に稀で、普通は働いててもバイト、それかヒモ。そんな人らに囲まれてて全うな社会人生活を送ろうとするのって、それこそヤスくらいにしか出来ないんじゃないのか……ましてや二十歳。若い。そしてハチ。誘惑に弱い。我慢出来ないだろ。

 タクミには「つけこまれた」。彼氏に浮気され仕事もクビになって傷心のときに遠い存在だった憧れのミュージシャンに優しくされたら……大体の人が流される。ハチも何度も「一夜限り」「今夜だけ」と言い聞かせているし。タクミが連絡先を置いていったのは予想外だったなぁ。でも結局返事はなくて、やっぱりあれは夢だったんだな~と思ってる頃に身近なノブに惚れられて結ばれる。その後、都合よくタクミが再登場。ノブが可哀想だけども……これも二十歳の女の子ならしょうがなくもないけど「全く意味不明な行動」とは言い難いな、今の私にとっては。タクミとの夜はハチにとって正に夢みたいなもので、現実を見たときにそばにノブがいて、安定したと思った頃に夢が現実になって戻ってくる。でも二股はイカンよ、二股は。どっちかにしなければいけないよ。で、ハチはタクミの元へ。ナナはタクミをハチと会わせたこと、当時はすごく後悔してただろうなぁ……ノブは……ご愁傷様としか……。

 と、ここまで考えて自分も大人になったなぁと思ったのだ。ソウルジェムすらも持ってなさそう……。清らかな乙女だったあの頃の私はどこへ……。

 それにしても矢沢あいがかっこいいと思って描く男って、読者にとってあんまり魅力的じゃない場合が多いよね(笑)。