単行本第一巻のカバー、カバー裏
この記事は進撃の巨人のコミックスを十一巻まで一読したのみの読者が、二回目に読み直した際に気になった点を書き残したものである。矛盾、知識の前後、既に明らかになっている真相を無視している可能性と、ネタバレが多大にあるので注意。
続きを読む進撃の巨人について(序)
進撃の巨人が大ヒットをかましている。
この漫画の存在を知ったのは、恐らく二〇〇九年だったと思う。ツイッターで当時仲の良かったフォロワーが*1、「進撃の巨人面白い!! まじ面白い!!」と大絶賛していた。
中学生くらいまでは自分でも単行本を買っていろいろ漫画を読んでいた。それがそのうち妹が買うのを読ませてもらうようになり、友達に借りるようになり……、と、大学生になる頃にはすっかり漫画を買わなくなっていた。これは断言出来るが、東京に来てから漫画雑誌は一冊しか買ったことがない。新テニスの王子様の連載が巻頭カラーでスタートしたスクエアジャンプのみだ*2。
結婚した人は大人になっても漫画好きだった。気になったものは即購入。途中で「何か違うな」と思ったら続きを買うのを辞める。進撃の巨人も夫が途中で切った漫画の一つだった。「話は面白かったが絵が受け付けなかった」と言っていた。
それでもアニメは気になったようで、夫が巨人のアニメを見ているのを私は横目で見ていた。リヴァイ兵士長を一目見て「あ、こいつがこの作品の腐女子の慰み者か……」と察した程度で、内容はあまりよく覚えていない。漫画が家にあるから後で読めばいいやと思っていた。
で、読んだ。面白い。普通に面白い。いや、普通以上に面白い。正直作者に腹が立つレベルで面白かった。家には六巻までしかなかったので、まずは七巻を買い、やっぱり面白いので十一巻まで買って読んだ。
と、ここまで大絶賛しているが、実はまだ一回ずつしか読んでいない。否、正しくはちゃんと読み返そうとして一巻を二回(たぶん)、二巻を半分といったところだ。どこかで二十巻構想だと読んだ覚えがあるので、あと三~四年は連載が続くだろう。その長い期間を、ただ読むだけではもったいないなと思い始めた。
なので、新たにカテゴリーを作り「二回目に読んだ」感想や疑問等を書き留めておきたい。とっくに既出の論や見当違いの考えばかりになるだろうが、そこはご容赦願いたい。ここは私のためのブログだ。何を書いたっていいだろう。
現在手元には単行本が十一巻まで、未開封の公式ガイドブック第二弾があるのみだ。十二月に十二巻が出るはず。私が得られる知識はそこまでである。考えるのが面倒だなと思ったときはまとめサイト等をカンニングするつもりだ。
何かぐだぐだ書いたが、とりあえずこういったスタンスでゆっくり楽しんでいきたいと思う。
変態というイメージ(二)
一晩置いたら何を書こうとしていたのか見失ってしまった。生後二六年だが生まれつきの鳥頭には未だに慣れない。
ファッションの話だった。
美容師の殆んどがファッションに造詣が深いと思って良い。「人間の髪の毛を触るのが好きで美容師になりました」という人はなかなかいないだろう。いたら結構気持ち悪い。面白いけど。大体が洋服が好きで、その延長でファッション全体として髪型に意識がいくのだろう。
先日、とある美容室に行ってカット、カラー、トリートメントをしてもらった。特に指名しなかったので、初めての美容師に当たった。美容師との会話を苦痛とする人は多いが、私はそうでもない。むしろ一期一会で適当なことをベラベラ喋れるので楽しい。喋りたくないときは口を噤んでいればいいのだし。その日は、喋りたい気分だった。
「俺、今、十万のコート買おうか迷ってんだよ」
最初は敬語だった美容師だが、序盤で既にタメ口になっていた。男性には、こういう扱いをされることが多い七味である。
特にブランドに拘りはなく、たまたま欲しいコートが十万するのだという。この人は洋服が好きなんだなぁ、と思い、私は知人の個性的ファッショナブルおじさんの話をふった。
個性的ファッショナブルおじさん(以後、Nさん)は五十代男性である。パンクロックをこよなく愛し、ヒステリックグラマーやヴィヴィアンの女性ものの洋服を着こなす。ガーターベルトに網タイツ、ピンヒールの靴を履いたNさんは「愛犬のチワワの方が歩くのが早い」と言っていた。面白い人である。
Nさんは自分のファッションに強烈な拘りを持っている。音楽好きで、音大の講師をしている。UKロックが大好きな彼は、「洋服」という魂を着ている。彼には「ゲイとよく勘違いされますが、私はゲイっぽいだけでゲイではありません」「今日も町中の色んな人に振り返ってもらいました^^」などの名言がある。講義を受けたことはないが、シラバスを見る限りかなり楽しそうな内容だ。彼は学生たちに愛されていた。
「うわっ、何そいつ、変態じゃん!」
ガーターベルトに網タイツを履いてる知人がいる、と言った時点で美容師の彼はこう言った。
ジェネレーションギャップ等から「最近の若者は露出しすぎ」と文句を言うおばちゃんは別に良い。でも、オイおまえ、ファッションが好きじゃなかったのか? 自分が理解出来ないものはみんな変態か? 私は洋服を単なる布としか見ていないが、ああいう派手なおじさんは初見はびっくりしても「面白い人だなぁ」と思うぞ。
ファッションが大好きで美容師になった! という人が他人のファッションを否定している様が、何となく残念だった。という話を書きたかったのだった(そして書き終わった)。