73式

妙齢専業主婦の雑記帳である。文章を書く練習のため、ほぼ毎日更新の予定。

永遠なるシエスタ

 何だかやたらに眠かったので、さっきまでずっと布団にくるまってグースカピーとやっていた。全くいいご身分である。夫は「頭が痛い」と言いながら今日も会社に向かった。昨晩からずっとだ。痛み止めも効かないらしい。「休んだら」と言ってみたが返ってきたのは「休めない」という言葉。……。仕事中にどうしても耐えられなくなったら病院へ行け、と言っておいたのだが、果たしてどうやら。

 今でこそいいご身分の私であるが、以前は小さな会社でせこせこ働いていた。家から徒歩で行けて、同僚も殆んどがいい人達で、職場環境は良好であった。残業は少なからず、いや、結構、かなり、むしろ素晴らしいほど大いにあったが、まぁそれは一社会人としての通過儀礼的範疇を越えたものではなかったと今では納得している。残業代もきちんと出たしね。当時は激しく嫌だったが。*1

 「何となく」体調が悪いときは「何となく」休んでしまう。本格的に「あれ? ちょっとやばいかも……」という時は「あれ?」を何度も繰り返しながら無暗に頑張ってしまう。覚えがある人も多いのではないか。私もあった。急の迫る仕事があるわけでもなしに、「あれ?」と思いながら会社に行って、悪寒と眩暈に襲われて体温を測ったら三十九度を越えていた、ということが数回。「何となく」休んだときよりも、明確な理由がある時の方が「情けない」「申し訳ない」という思いが強くなっていっそこのまま会社の休憩室で打ち捨てられて灰となりたい、という気分になるのはどうしてなのだろう。体力の消耗からの「病は気から」というありきたりな言葉で片付けることも出来るが、この「マジでヤバい時に限って何故か頑張ってしまう症候群」に運悪く殺された人間は少なくないと思う。

 夫は今夜無事に帰って来るだろうか。引きこもり主婦の世界は狭い。彼がいないと私は私として成り立たない。世界の存亡をかけて、今夜は彼の好きな料理を作って待とう。ほんと、いいご身分だ。

*1:ずっと楽しみにしていたイベントを休日出勤で潰された時は会社を巻き添えに内臓を爆発させてやろうかと思った。